人間というのは、一定以上の年齢から、年齢を重ねるごとに身体能力が低下するようになります。高齢者の身体の変化というのは、抗うことはできても避けることは不可能です。
また、身体能力のみならず免疫力なども低下するとされ、病気に罹患しやすくなったり、罹患した場合のリスクが大きく上がります。
高齢者の身体の変化で、一番影響を受けやすいとされている箇所が目です。単純な視力低下はもちろんのこと、近くのモノが見にくくなってしまういわゆる老眼の進行も進みます。こうした目の力が衰えることによって、日常生活にも支障が出ます。
ついで、影響が出やすいのは耳です。耳の場合は単純に聴こえにくくなるという場合が多く、これもまた日常生活に支障をきたすようになってしまいます。
高齢者と接するときは、このような目や耳の変化を理解した上で、高齢者との適切なコミュニケーションの取り方を実践することが大切です。
身体全体の筋力低下も大きくなるのが、高齢者の身体の変化です。こうした筋力低下によって、それまで持てていたモノが持てなくなってしまったり、車などを運転した際に踏み加減が分からず事故につながってしまうという問題が起きます。
高齢者が発病しやすくなる認知症と呼ばれる病気でも、身体能力の低下が起きます。加齢による身体能力の低下に比べ、認知症による身体能力の低下は、より進行スピードが速いとされており、日常生活自体が困難になってしまうケースも多いです。
そのため、介護を行うときはこれらの変化をよく理解しておくことが大切です。言っても行動してくれない場合、もしかしたら聞こえていないのかもしれません。行動したくても身体が動かない可能性もあります。何故動いてくれないのかを知ることができれば、対処の仕方もわかってくるでしょう。