色の見え方の変化にも注目して介護をしよう


高齢者になると、身体のあちらこちらに老化現象が現れてきます。勿論、色覚も例外ではありません。

加齢による目の異常で、まず思いつくのは老人性白内障ではないでしょうか。
原因としては、無色透明の水晶体が、長年浴びてきた紫外線による黄変、瞳孔や水晶体の大きさを変える筋肉の衰え等が考えられます。カメラで例えるなら、レンズに当たる水晶体が黄色に変化するのですから、色の見え方も正常とは違ってきます。
白色と黄色の区別がつかなくなるのは当然ですが、薄紫色が白色に見えたり、青色などの寒色系が、暗い所では特に見えにくくなったりします。信号機の色を本来の色とは異なる色と認識してしまう可能性もあるため、高齢者とともに外に出るときは十分な注意が必要です。

反対に、鮮やかな赤色や橙色等の暖色系は、より濃い色に見えますので、認識しやすくなります。緑色は、高齢者の目で見ても変化が少ない色なので、識別には困らないでしょう。
明暗差やコントラストが少なすぎると、同じような色に見えてしまいますので、安全で快適な生活を送っていくには、配色には十分に気を付けましょう。例えば、高齢者の部屋の照明は、全体が明るすぎると眩しすぎて見えづらくなりますので、部分的に照明を当てるように工夫するのもいいでしょう。白色と黒色、青色と黄色などの組み合わせ等でメリハリをつける方法もあります。
色の見え方だけでも、今後の生活に影響が出てきますので、介護を行うときは重要な問題として取り組むようにして下さい。