コミュニケーションは心にも目を向けて

高齢者の方は、長い人生の中で様々な体験を積み重ねて、今日に至っています。家族や友人など身近な人との死別、家族とのいざこざ、仕事から引退する事による社会との疎外感や喪失感など、将来の不安も含めて閉じこもりがちになります。少しでも、現在の気持ちを和らげるためには、高齢者の話を真剣に聴く事、耳を傾ける事が大切です。
そして、相手の目を見て、穏やかに頷きながら、会話を楽しむ事を心掛けて下さい。目の前にいる高齢者が、何に不安を感じているのか、どんな言葉をかけてもらいたいのかを汲み取る力を養って下さい。それが、非常に良好なコミュニケーションを築き上げる事になります。

また、高齢者の方は、誇り高いプライドを持って生きています。決して子ども扱いせずに、人生の先輩として敬う態度で接する事も重要です。言葉だけではなく、あなたの表情や仕草などで、相手は敏感に反応します。
年を取ってくると、足腰が弱くなって、歩行が困難になったり、転倒したりするリスクが高くなります。歩行の邪魔になるような物があれば、事前に取り除いたり、移動中にはさりげなく見守るようにする等、優しい振る舞いや柔和な眼差しが、自然に出来るように、日々の行動を意識するように心掛けましょう。
高齢者の方が、今何が必要か、どうしてもらいたいのか等、自分が相手の立場になった場合の事を考え、思いやる気持ちを高めていく事で、コミュニケーション不足は必ず解消出来ます。